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2016年2月

2月27日(土)〜28日(日)

「どうかこのノートを持って、シルクロードの果てに旅立ってください。
そして、そこでまた、誰かにこのノートを渡してください。」 

たくさんの小集団が潜伏し、団結し、流血し、誰が敵で誰が味方かわからない、
誰がいるのかさえわからない「もうひとつの日本」。
ネットで密やかに流される「スナフキンの手紙」。
美少女アイドルを巡って、日本政府軍とチャーミングな「正しい闘い」を繰り広げる人々の行方は...

第三舞台1994年の発表作をD.M.C.がお届け!

2月19日(金)〜21日(日)

そこは地面の下にある、小さな小さな動物達の世界。 
土の中は主に三つの階層に分かれており、各階層には差別的な隔たりがあった。
その最下層、B3フロアには、土木工事を生業とする土竜達が棲んでいた。 
愚鈍な性質の土竜達は、上層階の動物達から嘲笑の目でみられる事も多かったが、他の階層へ足を運ぶ機会も少ない彼らは陽気に日々を過ごしていた。 

土竜のヨウも最下層に棲み、土木作業のアルバイトに勤しむ日々を送っていた。
ある日、ヨウは見たことのない美しい姉妹と出会う。
このフロアの者ではないと悟った彼は、彼女達を元の場所へ送り届けるべく、親友のネズミのチュウ太郎と共に上層階を目指すのだが...? 

無謀とも言える各フロア横断の旅に出る、食いしん坊の土竜の子。
「美しいもの」に憧れ、目指し、たどり着いたその先で、土竜のヨウは何を見るのか...? 
小さな小さな動物達の、大きな大きな青春と、忘れられない冒険のお話。 

2月15日(月)〜16日(火)

この作品は、私が活動拠点を福岡に移した時に、今までの自分の活動経緯を知らない方々にどうやって自分の作品を発表していけばいいのだろう?と自問しながら、そうだ、名刺がわりになるような作品をつくろう!と思いついたもので、2001年にSTspotで生まれ育まれた私的解剖実験シリーズを年代順にご紹介するという趣旨で作りました。作品を製作しながら、関東で作品を作っているときに支えてくださった方々、見続けてくださった方々の顔が浮かんできて、自分がどんなに受け止め、支えられてきたか、今更ながらに思い知ったのです。それでこの度、聖地巡礼するような気持ちで、この作品を再びSTspotで上演させていただく運びとなりました。支え、関わり、見続けてくださった方々はもちろんのこと、今まで興味はあったけどちょっと怖いなあと思って近づきがたかった方にとっても接しやすい作品です。15年の試行錯誤をコンソメのようにギューっと煮込んで旨味が出ております。どうぞご賞味くださいませ。

2月12日(金)〜14日(日)

TPAMショーケース参加作品


演出|村川拓也
出演|倉田翠・松尾恵美


2015年に上演された村川拓也の二作目となるダンスを扱った舞台作品『終わり』。
今回の作品は同作品を新たに作り直した、フルバージョンの新作。
これはダンス作品なのかどうか分からない。ただ私が一緒に作品を作りたいと思った二人がたまたまダンサーだった。だからダンス作品を作るというのは後付けであって、本当に大事な事は「~作品」の前にある。いつもそこからしか作品なんて生まれない。(村川拓也)

二人のダンサー、倉田翠と松尾恵美。彼女達は学生時代から現在に至るまで、共にダンス作品を作ってきた。今回、演出の村川は彼女達がかつて踊った振り付けに着目し、膨大な過去の振り付けの中からいくつかの振り付けを選び取り、現在の彼女達に踊らせる。昔話を語りだす時のようにかつての振り付けを踊る時、彼女達自身の記憶も同時に蘇ることになるだろう。また、時の流れは物質的な変化を与え、体力や運動能力の劣化を意識せざるを得ない。過去の振り付けに踊らされる現在の彼女達は、葛藤や矛盾、苛立の渦に巻き込まれながらも、その感情が起爆剤となり自らの踊る意思を獲得するだろう。同時に、かつての自分達の踊りにさよならを言い続ける行為となるのかもしれない。それは、今が今まさに終わっていく終着の起点としての現在時を想起させる試みに繋がるのかもしれない。

2016年2月6日(土)〜8日(月)

岡崎藝術座『+51 アビアシオン,サンボルハ』、新作『イスラ! イスラ! イスラ!』ダブルビル公演!, 
(TPAMショーケース参加作品)

沖縄からペルーへの移民した祖父母を持ち、多文化・多言語に囲まれた環境で育った岡崎藝術座主宰、作家・演出家の神里雄大。祖父母の足取りを追った取材をもとに創作した『+51 アビアシオン,サンボルハ』は、2015年2月の横浜での初演以来各地を巡演し、高い評価を得てきました。
取材においては、戦前活躍後に国外亡命した「メキシコ演劇の父」演出家・佐野碩の生涯を参照し、日系社会に支援を続けながら、北海道で農業に携わる実業家・神内良一とも邂逅。かつてその土地に移り住み、生きてその地に消えていった先人たちの足跡と、現在もなおそこに暮らす人々が想いを馳せる"ふるさと"のありようを見つめるまなざしは、翻って現在の日本を生きるわたしたちの姿をも浮かび上がらせます。
国内のみならず海外からも新たな演劇表現として大きな反響を得てきた本作と新作『イスラ! イスラ! イスラ!』は、「人々の移動と他者の集まる社会」というテーマで串刺され、兄弟的作品ともいえます。
岡崎藝術座の集大成でありながら新境地を開いたとの評価を得た『+51 アビアシオン,サンボルハ』と、そのテーマをさらに発展させた意欲作『イスラ! イスラ! イスラ!』の同時上演をお見逃しなく!!

2016年2月3日(水)~8日(月)

はじめに|
ペルー生まれ、パラグアイ、アメリカ、日本(川崎)育ち。沖縄、北海道、リマ、ネバダ、所どころに暮らす親族。多文化・多言語に囲まれた環境にいた劇作家・演出家の神里雄大は、日本に暮らす人々の多様な差異や背景と、移民・移動して生きていく人々の姿に焦点をあて、創作を続けています。
 本作『イスラ! イスラ! イスラ!』では、さまざまな文化や言語や政治などが外部から持ち込まれ、そのなかで衝突、融合、変貌していく架空の島々(Isla。スペイン語)というイメージを核とし、モチーフを集めました。なかでも、高知出身の2人ーージョン万次郎 (1827-1898)の生涯や、戦後大流行したマンガ「冒険ダン吉」のモデルとも噂された実業家・森小弁 (1869-1945) の外への関心を持ち続けた姿勢は、他者への無理解や排他的な雰囲気の強い現代日本にとって重要な意味を持ち、近年神里が考察している「他者との共生」という問題に繋がっています。世界に目を向ければ、街に移民が溢れ、国籍や国境の境界線を越えた共生の可能性が問われています。
「島」というモチーフと共生への追求によって、いま岡崎藝術座はどんな世界を提示するのでしょうか。
ご期待ください。