ラボ20#22 主催

2020年12月25日(金)-12月27日(日)

※全日程のチケット完売いたしました。
12/25(金)19:30の回の当日券の販売は行いません
12/26(土)15:00の回の当日券の販売は行いません。
12/27(日)15:00の回の当日券の販売は行いません。

「ラボ20」は、コンテンポラリーダンスにおける若手作家の発掘・育成を目標としたショーケース公演です。22回目の開催となる今回はダンサー・振付家の福留麻里をキュレーターに迎え、5組のアーティストが作品を発表します。
それぞれの思考/試行の集積の場にぜひお立会いください。
※この公演は当初2020年3月に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い延期となり、日程を振り替えて上演を行います。


3月。「公演延期」という経験は、私自身も初めてのことで(雨天で順延とかはあったかもです)、そこには大きな喪失感があった。きっと今年、多くの人が様々な形で経験したのではないかと思う。
「ラボ20」はとても小さなショーケースで、でもそこには、これまでに参加してきたダンサーの方達の実験的で個性的な身体の試みと熱がふつふつと蠢き積み重なっていて、STスポットという小さな劇場に、見えない層になって宿っているように感じる。 劇場という場所にはそういうパワーがある。
12月。2019年の夏から育ってきたそれぞれに唯一無二の5つの作品が、延期から約9ヶ月、その時間分の葛藤や不安や試行や発見や、、きっとたくさんのものを溜め込み変化し続けている現在進行形の身体で再び集まります。 STスポットという場所で、どのような今現在が放たれるのか、私も興奮と緊張を抱えながらその時を待っています。
無理は言えない状況ですが、ご一緒できたらとてもとても幸いです。

キュレーター 福留麻里


日程:2020年12月25日(金)~ 12月27日(日)
12月25日(金)19:30
12月26日(土)15:00
12月27日(日)15:00
*新型コロナウイルス感染拡大対策を講じた上で公演いたします。 ご来場の際はウェブサイトに掲載するSTスポットの感染症対策をご確認ください。
*受付開始・開場は開演の20分前より。
*全席自由席
*未就学児の入場はご遠慮ください。
*アーカイブ配信(有料)を行う予定です。詳細はおってウェブにて発表します。

チケット: 一般 2,500円/ 25歳以下 2,000円/高校生以下 500円
*当日券は500円増

チケット申込:https://stspot.jp/ticket
*ご予約・ご来場にあたって必ずSTスポットの感染症対策をご一読いただきますようお願いいたします。

お問合せ:STスポット
TEL:045-325-0411  MAIL:lab20@stspot.jp  WEB:https://stspot.jp


飯塚大周「0回以上の残響」
演奏・振付・出演:飯塚大周

音楽とダンス。人類がどちらを先に発見(明)したのかは誰にも分からないが、これらが互いに影響を与え合う直接的な関係を持っていることは知っている。今も昔も音楽が響いた時に身体が踊ろうとするのは自然なことだし、同様に聴衆の踊りが演奏をより熱くすることは珍しいことではない。しかし近頃の僕たちは、音楽とダンスにおけるその肉体と空間の作用を忘れてはいないだろうか。今回、それらを再獲得する試みが僕の作品である。

[プロフィール]1992年生。神奈川県出身。武蔵野美術大学卒。チーム夜営、オフィスマウンテン、The Bushmeatsなどの様々なグループに所属し作品の制作や公演に参加している。また、自らも写真家・森近沢辺とのDTMユニット「やなり」やネット声優・ヨッシ~バランらとのサウンドアートプロジェクト「夜響(よきょう)」を主宰しており、主に音響・音楽面への挑戦を小規模ながらも続けている。 
SoundCloud:https://soundcloud.com/iizuka-taishu
Twitter:@
112uka_ta15u


田村興一郎「LAUGHING GAS」
演出・振付・映像演出:田村興一郎
出演:岡安夏音子 梨乃
映像:金井崇

イギリスのテムズ川ほとりに捨ててあった一つの小さな銀製のボトル。私はそれを日本に持ち帰ろうとした。しかしその正体は”ラフィングガス”という名の違法薬物。空き瓶でもこれを所持しているだけでイギリスでは懲役7 年判決が妥当らしい。この実体験を基に、 ”ラフィングガスを持ち帰って空港で捕虜された架空の私”を想像してみる。 「私の肉体はどこへ行った?」 先の見えない未来への恐怖は以外にも近いかもしれない。この劇場の特性はその心情を巧みに描写する。
[プロフィール]振付作家・ダンスアーティスト・DANCE PJ REVO(NPO法人 DANCE BOX アソシエイト・カンパニー)主宰。横浜・神戸を拠点に活動。また韓国、フランスで滞在制作や香港、ルーマニア、ロンドンで作品上演など国外でも展開中。ダンス作家として緻密な構成力と空間設計、社会や既成概念を疑う姿勢に評判を得ている。 そのダンススタイルは”ミニマルハードコア”と呼ばれている。病院や老人保健施設で踊ったり、香港でダウン症のこどもにダンスを教えるなど、福祉施設へ出向いてダンスて“人を繋ぐ”活動も行っている。独自開発した“誰でも振付家になれるワークショップ” 「身体美術館」は国内外様々な場所で実施中。一般市民参加型に向けたダンス事業にも携わり、 ダンスアーティストとして彩りのある活動を志している。 横浜ダンスコレクションにて奨励賞 (2015年)、最優秀新人賞(2016年)、若手振付家のための在日フランス大使館賞、シビウ国際演劇祭賞(2018年)受賞。


チーム・チープロ「皇居ランニングマン」
振付・構成:チーム・チープロ
出演:松本奈々子
音楽・美術・映像協力:新中野製作所
字幕翻訳監修:大滝望
写真:細谷修三、久保枝里紗
振付協力:西澤健人(el cazador, mi amigo)

2019年1月に上演した「皇居ランニングマン」という作品をリメイクし、再演します。皇居をとりまく国民公園、「皇居前広場」。広大な敷地に玉砂利が敷き詰められ、人びとは「ズクッズクッ」とそれらを踏みながら歩いています。そこでは戦前から現在にいたるまで、日本軍による練兵式・関東大震災時の避難村・GHQのパレード・米騒動・メーデーそして国民祭典といった「集い」がおこなわれてきました。皇居ランニングマンは玉砂利を聴き、玉砂利を蹴とばし、玉砂利に巻き込まれながら、この奇妙な広場でステップを踏みます。

©細谷修三

[プロフィール]パフォーマンス・ユニット。現在のメンバーは、松本奈々子と西本健吾の2人。個人の記憶と集団の記憶を、「身体」を媒介に記録し再構成することに関心を寄せている。最近の作品に『20世紀プロジェクト vol1-3』(東京各所, 2017-2018)、『皇居ランニングマン』(「ダンスがみたい!新人シリーズ17」, 2019)

宮脇有紀「A/UN」
振付・出演・楽曲:宮脇有紀

今日もなんの帰りか分からん人と、息が漏れたり、詰まったり。眺める気色で身体がうごめき、何かが起こる気配で心が揺れる。
誰かと言葉のないココロが踊る瞬間が重なると、カラダの記憶を映す心体言語として語り出す。
いまここでカラダに紡ぐ些細な時間を誰かとシェアしながら、動きはじめてみることで、踊りが生まれる作品としてみる。

©金子愛帆

[プロフィール]幼少時よりバレエを始める。16歳でオーストラリアにバレエ留学。帰国後、日本女子体育大学に入学。卒業後 ”社会におけるダンスの価値” を探すため ”まず社会を知る”という安易な考えで、IT企業に就職するが創作への探究心を抑えられず、国内ダンス留学@神戸6期に参加、『Accord』を発表。「吸収spectrum」「dräpped into」「A/UN」「カムリノヒカリ」近年 ”心踊るカラダ” でソロ作品を発表。その他、鈴木ユキオ、岩渕貞太、太田ゆかり等の作品にダンサーとして参加。三浦宏之主宰「M-laboratory」メンバーとしても活動している。


涌田悠「涌田悠第三歌集」

振付・演出・短歌テキスト・音楽・出演:涌田悠

からだが世界に触れ震えるとき、短歌が生まれる。31文字の短い言葉の奥にひそむいくつもの感覚や風景を、それらを生んだからだを使って探り直していくことは果てしなく、自分でもわからない心の底や生きているこの世界に手を伸ばし続けるような怖さと楽しさがある。 からだや世界の一粒一粒に、言葉や、言葉と言葉の隙間にあるものや、言葉になる前のなにかがあって、うごめいて、話したがっているような気がする。

©北川姉妹

[プロフィール]3歳よりモダンダンスを始める。有明教育芸術短期大学舞踊コース卒業後よりフリーのダンサー/振付家として活動。振付家としては言葉と身体の関係性に興味を持ち、2014年より自作の短歌と共に踊るソロ作品“短歌deダンスシリーズ”を精力的に展開。『カツ丼のうた』(横浜ダンスコレクション2016出品)などこれまでに6作品を発表。2017年『涌田悠第一歌集』が台北(牯嶺街小劇場)に招聘される。2020年には短歌連作『骨とひかり』が第63回短歌研究新人賞にて次席となる。これまでにKENTARO!!、横山彰乃、ジュリー・アン・スタンザック、岩渕貞太等の作品に出演。貝ヶ石奈美主宰〈Noroc 〉のメンバーとしても活動中。

クレジット:
キュレーター:福留麻里
舞台監督:熊木進
照明:中山奈美
音響:牛川紀政
宣伝美術:嵯峨ふみか
特別協力:急な坂スタジオ
助成:公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団/神奈川県文化芸術活動再開加速化事業
企画・制作・主催:STスポット

[キュレータープロフィール]
福留麻里
ダンサー・振付家。2001年より新鋪美佳と共に身長155cmダンスデュオほうほう堂として活動。独自のダンスの更新を試みる。2014年より個人活動開始。劇場での作品発表、川原、公園、美術館、道等、様々な場所でのパフォーマンスやワークショップ、他分野作家との共同制作を行ない、いくつもの関係性とそのやりとりから生まれる感覚や考えや動きを見つめ紡いでいる。近年では2018年より演劇作家村社祐太朗との共同制作を継続的に行う。2019年からだに対する小さな指示書をSNSで配信する「ひみつのからだレシピ」をBONUS(木村覚)と共同企画。アーティストによるコレクティブ「Whenever Wherever Festival」、「ダンス作戦会議」メンバー。2020年度セゾンフェローⅠ。

[ラボ20とは]
「ラボ20」は、コンテンポラリーダンスにおける若手作家の発掘・育成を目的としたダンスショーケース企画です。
これまで様々なアーティストをキュレーターに招き、ダンス表現の一傾向に偏ることなく、新しい作家を輩出し続けてきました。
作品発表だけを目的とせず、創作プロセスを大切にして、試行を重ねながら、独自のダンス表現を追求します。

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