岡崎藝術座 『+51 アビアシオン, サンボルハ』 共催

2015年2月13日(金)-2月20日(金)

ご案内
政治や社会情勢への態度を積極的に作品に反映させながら、わかりあえない他者との共生をテーマとした創作を続ける
神里雄大。
沖縄からペルーへの移民という自らの祖父母の足取りと、その現在を知るべく南米や沖縄に赴き、現地での取材をもとにした
新作を発表します。戦前活躍後に国外亡命した「メキシコ演劇の父」演出家・佐野碩の生涯の参照や、移民に憧れながらも
日本に留まる選択をし、今はペルーをはじめとした日系社会に支援を続ける実業家・神内良一とも邂逅。
かつてその土地に移り住み、生きてその地に消えていった先人たちの足跡と、現在もなおそこに暮らす人々が想いを馳せる
“ふるさと”とはーー。そのありようを見つめるまなざしは、翻って現在の日本を生きるわたしたちの姿をも浮かび上がらせます。

演出ノート
取材で回ったなかでアメリカでのことは作品内で直接言及されないので、そのことを書く。
ネバダ州ラスベガスの隣町に、わたしの叔父家族が住んでいる。叔父・叔母はペルー出身であり、その子どもたちはアメリカで
生まれ育った。夫婦の会話はスペイン語で行われ、親子の会話は基本的に英語、日本語を知っているのは叔父だけである。
そんな叔父の家庭では、味薄めのみそ汁が毎晩の食卓に並ぶ。叔母は叔父と同じく沖縄にルーツを持つ人で、みそ汁は
そうやって沖縄→ペルー→アメリカと受け継がれるあいだに味が薄くなったのか、あるいは減塩志向なのかは聞かなったが、
おふくろの味という感じであった。(おふくろの味についてとやかく言うことはできない。)
言葉が途絶えても文化は残る。少しずつ形を変えながら受け継がれる。だから国単位で文化の所属性やピュアさを争う
なんていうのはバカげたことだと、そのみそ汁からもわかる。
今回の作品では、日本人バンザイとか日本文化すごいなどとやるつもりはなく、わたしの出自をみんなに共有してほしいと
いうつもりもなく、けれども去ってしまった人たちが故郷を想像するとき、残った人たちはどんなふうにその故郷を更新して
いけるのかということは大事にしたいと思う。

神里雄大

日程:2015年2月13日(金)~2月20日(金)
2/13(金)19:30
2/14(土)14:00/19:00
2/15(日)14:00/19:00
2/16(月)19:30
2/17(火)休演日
2/18(水)14:00/19:30
2/19(木)19:30
2/20(金)17:00

会場
STスポット

チケット
前売:一般 2,800円、学生 2,500円
当日券:前売料金+300円
※TPAMパスをお持ちの方は2,500円でご覧いただけます。(前売・当日とも)
 詳しくはTPAMウェブサイトをご覧下さい。

作・演出・美術|神里雄大
キャスト|小野正彦(岡崎藝術座) 大村わたる(柿喰う客) 児玉磨利(松竹芸能)
スタッフ|照明:黒尾芳昭、音響:和田匡史、技術監督:寅川英司、
     舞台監督:渡部景介、映像:ワタナベカズキ、
     写真撮影:富貴塚悠太、宣伝美術:古屋貴広(Werkbund)
ドラマトゥルク:荒尾日南子、制作補佐:水谷円香
制作協力|四元朝子(鹿児島公演)、古殿万利子(熊本公演)、植村純子(京都公演)
企画制作|プリコグ
製作・主催|岡崎藝術座・プリコグ
共催:STスポット(横浜公演)、立誠・文化のまち運営委員会(京都公演)、NICA(東京公演)
助成|公益財団法人セゾン文化財団、芸術文化振興基金
   アーツコミッション・ヨコハマ(横浜公演)
   アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)(東京公演)
協力|柿喰う客、松竹芸能、公益財団法人日本国際協力財団
   NPO法人フリンジシアタープロジェクト(京都公演)

お問い合わせ
岡崎藝術座 info@okazaki-art-theatre.com
プリコグ  03-6825-1223 info@precog-jp.net

詳細→ http://okazaki-art-theatre.com/aviacion/

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