ヨコラボplus中村達哉 『そこから眺める』 共催

2013年2月14日(木)・2月15日(金)

中村達哉がオブザーバーを担当した、STスポット「ヨコラボ」(2010年、2011年)から継続して展開する「ヨコラボplus」。
満を持しての主催公演となる今作は、照明家に森規幸を迎え、踊る身体を風景のなかに置き直す試みをします。

   まわりこむ
   よりかかる
   のぞきこむ
   ふりかえる
   よこたえる
   おりかえす
   たちどまる
   うらがえす
   そこから

   眺める


振付・出演:中村達哉

日時:2013年2月14日(木)・15日(金)
14日(木)20:00*
15日(金)20:00
*終演後にアーティスト・トークを予定。中村達哉が本作について語ります。
15日の前売チケットは完売となりました。当日券情報をお待ちください。

料金:
前売一般 2,000円 前売学生 1,800円 当日 2,300円(全席自由)
TPAMパス特典 一般 1,500円

スタッフ:
照明:森規幸(balance, inc. DESIGN)  
音響:齋藤学
舞台監督:鈴木康郎 湯山千景  
制作・デザイン:voids

ご予約・お問合せ:
voids
Web予約:http://stspot.jp/ticket/ylplus/
[TEL]045-325-0411
[MAIL]contact(a)voids.jp((a)を@にしてお送りください)

中村達哉:
1998年より現在まで、ダンスカンパニー「イデビアン・クルー」に参加。
パフォーマンスシアター「水と油」の作品や、山下残の作品などに出演。また、ミュージシャンや美術家など、他のアーティストとのコラボレーションを多数行っている。2010年、2011年STスポット主催「ヨコラボ」集団創作コースリーダー/オブザーバーを担当。
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サイレントの演劇とストップモーションの映画のあいだ

中村達哉は対応力がある。それなのに、ソロを仕掛けていくときは、床や小道具などで自身の身体を少しだけ縛るような
規制を仕込んだりする。決して本人がタイトなダンサーというわけではない。どちらかというと、柔軟でとても器用に、場やコラボレーターと息を合わせて、コミカルにもしなやかにも如何様にも変化することができるダンサーである。

おととしの4月森下スタジオで行われた「ヨコラボ ’10」中村達哉コース・ワークショップの発表会で、中村が振付けをし、自身も出演している「たちくらみ」という作品を見た。

「たちくらみ」は、絵画的に人々が配置、構成されていて、まるでゴヤやクールベが描いた群像情景の一場面のようだった。
そのうえスローモーションで再生されているようだ。静かにたたずんでいるだけの人々は、特にそのキャラクターを説明するわけもないのに、1人1人に確かに個性が宿っている。思わず見ているほうが、右からゆっりとロングショットのパンをしながら眺めてしまった。「テオ・アンゲロプロスの映画みたいな世界観をつくりたかった」と、中村は言う。なるほど彼の興味は、パフォーマンスを見る人に、映像を見る脳みそを刺激することにあるのかもしれない。

これまでの中村達哉のソロダンスは、ものや場やシチュエーションに対してアプローチする、ある緊張感を持った自身の身体がいる風景、それはいわばサイレントの演劇ような世界としてあったと思うのだが、今回のソロ作品「そこから眺める」では、先に述べたような、映像視の脳を刺激する存在として、自身がいる場面をたくらんでいる。

それは、一瞬の出来事を切り取った、スットップモーションの映画でも眺めるような経験になるのだろうか? ということは、彼の身体がそこにあるという実体感から解放されて、1人で踊るときの手掛りとしてあった、諸々の規制はもはや違う意味を持ってしまうではないだろうか? もしかすると、1人でも中村が本来持っている柔軟な対応が自然と発揮されるのではないか?
などと期待している。

小林晴夫(blanClassディレクター)
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企画・主催:中村達哉
共催:STスポット
助成:アーツコミッション・ヨコハマ(先駆的芸術活動支援事業)
TPAMショーケース 参加作品 http://www.tpam.or.jp/

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(c) 2012 blanClass,Kosuke Hatano

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