劇場

「ラボ20#23」参加アーティスト決定

2022年9月05日

30組にご応募いただき、オーディションを経て、以下の4組に「ラボ20#23」にご参加いただくこととなりました。

asamicro
豊川弘恵
Ne Na lab(杉本音音・遠藤七海)
森本圭治

キュレーター岩渕貞太による選評もあわせて掲載いたします。

「ラボ20#23」は11月末に中間発表、来年2月に最終発表と続きます。
今後の展開にぜひご注目いただけたら幸いです!


【参加者プロフィール】
asamicro(アサミクロ)

ダンサー・振付家
1986年神奈川生まれ。10歳からHIPHOPダンスを学ぶ。
創作テーマは「愛と平和と平等性に問いを持つ」幼少期の9年間の不登校経験から家族・生活環境・社会との関わり方に対し、常に壁を感じてきた事、また社会復帰におけるプロセスで体内時計を整える際に朝食や朝時間が重要であったことから「朝ごはん」や「朝時間」を創作のモチーフとして取り入れ言葉にできない思いを身体を通して表現をしている。
HIPHOPダンスの基本姿勢や歴史に自身のルーツに誇りを持ち差別のない世界への訴えとし【愛と平和と平等性】がありasamicroの生き方姿勢とリンクしMy HIPHOPスタイルを探求し踊っている。
(写真:前谷開)

豊川弘恵

東京都出身
多摩美術大学 造形表現学部 映像演劇学科 卒
国内ダンス留学@神戸 5期 卒
面白クリエイター集団 Pocopen(@pocopen1014) の売り子兼、ダンサー
現在は放課後等デイサービスで児童指導員として働きながら、身体でのコミュニケーションについてや、広い意味での「強さ」について興味を持ち学んでいる
(写真:諸川摩美)

Ne Na lab(杉本音音・遠藤七海)

杉本音音、遠藤七海による企画。新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言下の2020年4月より活動開始。リサーチをベースに身体を用いた実験・考察をし、それを基にパフォーマンスやSNSでの公開を試みる。科学実験に倣い実験ノート・レポートを作成し、ウェブサイトにてアーカイブとして公開している。
https://ne-na-lab.jimdofree.com
杉本音音
1996年東京生まれ。立教大学現代心理学部映像身体学科卒。4歳より新体操とクラシックバレエ、15歳でコンテンポラリーダンスに出会う。関かおり、GRINDER-MAN、チョン・ヨンドゥの作品等に出演。また他分野とコラボレーションでの企画、パフォーマンスを自主的に行う。身体を以って紡ぐ・思考することを目指して日々″今日のダンス″を探す。
https://neonsugimoto.jimdofree.com
遠藤七海
1997年東京生まれ。2020年立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。
卒業後は制作としても舞台芸術に携わりながら、ダンスインストラクターも務める。
日常の「振り付けられた身体」に着目し、可視化することを目指す。

森本圭治

富山県出身
大阪芸術大学舞台芸術学科卒業
大学時に演劇とクラシックバレエを専攻
大学卒業後akakilikeの作品に参加
京都アバンギルド、神楽坂セッションハウスでソロ作品を発表


【キュレーター 岩渕貞太より選評】
今回の『ラボ20』オーディションは合計30組から応募がありました、8月4日から6日に対面での審査、その後に映像審査の方の映像を見て審査をしました。新型コロナウイルスの感染や濃厚接触者になる、体調不良などの事情を含め何組か辞退や映像審査切り替えなどがあり、応募者にも審査する側にも対面での審査が当たり前のようにはできないということを感じました。

『ラボ20』という作品づくりのプロセスの共有や対話の場を求めて応募してきた方が多く、初めて作品を作る人、作品を作ってきたけれど自分がどういうものを作りたいのか悩んでいる人、確固たる意思と作品の形を持っている人、ダンサーとしての活動だけでなく作ることに挑戦したい人、今までと違う活動形態を模索したい人、休んでいた作品づくりを再開した人など様々な参加者がいました。みなさんそれぞれの切実な課題を持ってオーディションに臨んでいるのを感じました。
それぞれの方たちの課題や悩み、モチベーションに共感することも多く、最終的に何を以て選出するか迷いましたが以下のことを基準に選考をしました。

・身体で思考しているか
応募用紙に書かれたものや審査での言葉のやりとりから、言葉に身体の実感がのっていたり言葉にならないことでも身体が語っていたりと感じられるか。

・個人的で具体的なモチベーションを掴んでいるか
一般的にどうか、ではなくまず自分の個人的な実感を足場にし、かつ観客に問いかける開かれた作品性を感じたもの。

・上演に向けて作品の変化の期待値の高さ
『ラボ20』の創作プロセス、コミュニケーションを通して作品の形や強度、身体や思考に変化が起きる隙間が感じられるもの。

『ラボ20』は半年ほどの間で参加者同士の交流、キュレーターの私やスタッフ陣とのコミュニケーション、中間発表などのプロセスを通してこの先に作品をつくり、踊り続けるための自身の作品観や身体性を耕す場だと考えています。審査時のパフォーマンスの良し悪し、出来不出来、完成度での選考ではなく、今この機会が存分に活かせるだろうタイミングにあり、自身の中にふつふつと湧き上がるものを感じられた作家を選出しました。あとは「この人の作品が見てみたい!」「この人の作品を見てほしい!」と素直に思ったのも決め手の一つです。

ということで、以下4組の方を選出しました!!

◎asamicro
HIP HOPを基礎としたボキャブラリーがasamicroさんの身体言語として練られていて魅力的なパフォーマンスでした。作品ごとのコンセプトだけでなく作品を作り、踊ることで何を目指しているのかがはっきりしていること、朝食とダンスをつなぐ試みをされていることなど、asamicroさんの生活や人生が踊りと共にあるのが素直に感じられました。上演審査後にパッと「asamicroさんの新作ソロダンスが見たい!」と思いました。asamicroさんのダンスの世界観がもっと色濃く、カラフルになること、創作テーマ「愛と平和と平等性に問いを持つ」がパワフルに客席に届くことを期待してます。

◎豊川弘恵
上演審査では身一つ、無音で踊られていました。現時点で作品的にまとめることをせずに臨まれていて、核となるものを身体で掴んでいるように感じました。ご自身の仕事と密接に、切実に繋がったこのダンスがラボ20で花開く予感に満ちていました。フルタイムの仕事をされながらダンスを続け豊かな作品を作る好例になるのではないかとも感じました。審査で見えた核が具体的にどんな作品になるのか未知数でとても楽しみです。

◎Ne Na lab(杉本音音・遠藤七海)
二人組のユニットで「食べることと身体とダンス」についてのリサーチ、実験、プロセスの立て方やプロセスを取り込む作品づくりのアイディアがたくさんあり、上演審査ではまとめず全部盛りでした。「食べること」と「身体」と「ダンス」の相互の結びつきが弱くアイディア止まりな部分もありましたが、本番に向けてそれがバラバラにならずどんな風に説得力を持った形になるのか楽しみです。

◎森本圭治
上演審査はとてもスリリングな時間でした。映像やテキストを使いながらダンスや身体の補強としてではなく、身体が映像やテキストと拮抗し、すれ違い、切り結び合う生々しいパフォーマンスでした。再現性ではなくその時のその場に、火花散る瞬間を賭けるあり方にとても惹かれました。ダンスという言葉ではなく身体性、その強度に向く森本さんの関心が身体表現の大きな可能性を秘めているように感じました。

それぞれ個性の違う4組です。デコボコしていて、いい座組みになっていると思います!!

2023年2月のラボ20#23本番までの間に中間発表や作家紹介、インタビュー、座談会など(まだわからないけれど)なんらか色々とお客さんともプロセスが共有できる機会があるといいなと思ってます。楽しみに注目していただけたらうれしいです。

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