劇場

【協力】ダンスのために、踊らないであれこれを考える会 Vol.1「ダンスのための言葉を考える、身につける」

2019年10月02日

この企画は、かえるPの大園康司と橋本規靖が発起人となり、ダンスを創るうえで必要かもしれないことを、日々ダンスに関わっている参加者のみなさんと一緒に考えていく会です。
ダンスを創る現場、見る現場、考える現場…それぞれの現場から一歩引いて、考えている課題や問題意識を語り合い、​またダンスの外部の領域からの知見をシェアし、広く学び合う機会をつくれないかと思い、この集まりを始めることにしました。

第一回目となる今回は、「ダンスのための言葉を考える、身につける」をテーマに設定しました。
編集者・ライターの尾上そら氏、現代詩人のカニエ・ナハ氏にファシリテーターをお願いし、ダンス作品を創る・語るための言葉について、参加者のみなさんと一緒にダンスを「伝える為の言葉」「表す為の言葉」「もしくは、表現しきれない身体の為の言葉」といったことを考えていけたらと思っています。
具体的には、ダンス作品のパンフレットや作品レビュー、フライヤーのテキストなどを中心に、様々な角度から「ダンスにおいての言葉」を考えていきます。
※STスポットで過去に上演されたダンス作品を題材に、会を進める予定です。

​是非たくさんの方にご参加いただき、豊かな集まりにできればと思います。
ご応募お待ちしております。


開催日時:2019年10月21日(月)・22日(火)

第1回 10月21日(月)19時00分~21時30分
ゲスト:尾上そら(編集者・ライター)
第2回 10月22日(火)19時00分~21時30分
ゲスト:カニエ・ナハ(詩人)
※どちらか1日だけの参加も可能です。
内容的には2日間ともご参加いただくことをおすすめします。

対象:ダンサー・振付家・スタッフなど、ダンス創作や製作に関わる全ての方

定員:各回15名程度

参加費:1回1,500円、2回通し2,500円

申し込み:
ご参加希望の方はかえるPのウェブサイト内の予約フォームよりお申込みください。
http://kaeruppp.weebly.com/

【第一回に向けて】
ダンスと言葉は抜き差しならない関係でありたいと常々思っています。
ダンスを踊る人、創る人、関わる人は、ダンスについての諸々、そしてダンスそのものを考えるときに様々な言葉を扱います。
ダンスを創る、書き留める、語る、誰かと対話する。自分の曖昧な作品への思い、あやふやなそのときの感情の機微を少しでもとどめるために。
そんなダンスにとっての「言葉」というものを、自分たちがよるべきものとしてもっと深堀できないだろうか、と思っています。
また、STでかつて上演された作品と出会い直す楽しみもあるかもしれません。
沢山の方のご参加をお待ちしています。
(かえるP 大園康司 橋本規靖)

大園康司と橋本規靖が2010年に結成したダンスユニット。
“ダンスの根源”を探ることをテーマに、普段の生活に根ざしたことにこそ、ダンスの身体の在り様があるのではないかと考え、作品創作に取り組む。第四回エルスール財団コンテンポラリーダンス部門新人賞受賞。
横浜ダンスコレクションEX2016Ⅰファイナリスト。
​これまでの主な作品に『The Sun』『パーフェクト『スーパースーハー』など。



【ファシリテーターから】
「ことば」を用い考え、書き、語り、伝えることが生業です。
けれど、私が対峙して糧とさせていただく多くの作品・行為・表現は、「ことば」にならない領域を多分にはらんでいる。
それを「ことば」に落とし込むことは、仕事とはいえ野暮だと常々思っています。
同時に「ことば」を介することで、作品を“表す人”と“受け取る人”の間に、作品とは違った現象や発見が起こるのではないかと、最近少しだけ思うのです。
記事や原稿とは異なる、感じ考えたことを「ことば」に落とす過程、普段はひとりで行っているそのことを、分かち合ってみようと思います。
何が起こるかはさっぱりわかりません。
けれど貴方と私の中に、既にあるのにまだ出会えていない「ことば」を探す時間になる気がしています。
(尾上そら)

編集者・ライター。出版社に約4年勤務後、フリーランスとなる。
雑誌や劇場発行の広報誌などの記事の企画・取材・執筆、書籍編集・執筆のほか、演劇公演や映画などのパンフレット編集を手掛けている。
現代演劇に加え、コンテンポラリーダンスや古典芸能にも触手を伸ばしつつ、ライフワークとして国内各地域の演劇、表現の現場を訪ね歩いている。



ある詩人が詩を舞踏に喩えたように、ある舞踏家の文章が完膚なきまでに詩であるように、
あるいは本質的にはダンスと詩とは共にあるのだと、「ダンスと詩とが、ダンスを踊っている!」などと云ってみたい気がする。
ダンス作品から感受したものを、言葉に変換することの困難を、
ダンス作品に感動したことのある人なら誰しもが感じているとおもうし(私もそう)、
また、ダンス作品の実作者であれば自らのダンス作品を言葉で語ることのもどかしさに直面したことがあるかもしれない。
それら困難さ、もどかしさを、あらたな創造への余白ととらえ、ダンスのかたわらで、
言葉を共演者のように対峙させ、屹立させ、踊らせることは可能だろうか?
(カニエ・ナハ)

詩人。2010年「ユリイカの新人」としてデビュー。2015年、第4回エルスール財団新人賞。
2016年、詩集『用意された食卓』で第21回中原中也賞。
新聞・雑誌等に詩やエッセイ、書評等を発表する傍ら、装幀家としても詩集等を多数手がけている。
2017年には、NHK制作のドラマ『朗読屋』に出演、東京都現代美術館の企画展「MOTサテライト」に出展。
2018年には米アイオワ大学、フィンランドの詩祭に招聘され、朗読パフォーマンス等を行う。
現在、東京藝術大学大学院映像研究科主催RAM Associationのフェローメンバーとして、映像と詩・言葉をめぐるワークショップを行っている。





主催:かえるP
会場協力:STスポット

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