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2012.10.3

山下残新作公演『ヘッドホンと耳の間の距離』出演者インタビュー

今月10日より始まる山下残新作公演『ヘッドホンと耳の間の距離』。振付家・演出家の山下残さんは、2010年に発表した『大洪水』から3年連続してSTスポットと一緒に作品を作っています。今回の作品では「音」や「音楽」を起点に作品作りが始まりました。今回の出演者の川名俊生さんと木下毅人さんに今回の作品のみどころや稽古について聞いてみました。


2人は7月に行われた、WS形式のオーディションによって選ばれました。川名さんは舞台出演未経験者で、木下さんは元々音楽家として活動していました。

 

木下:僕は以前から残さんのファンで、公演を観に行ったり、WS(ワークショップ)とかも受けていて、今回是非出演したいなと思い応募しました。僕は元々コンピューターで音楽を作っていて、ジャンル問わず音楽全般が好きなんですけど、残さんもロックがすごく好きで、音楽の話ができるのは嬉しいですね。稽古始めてばかりのときは稽古前の1時間くらいはずっとみんなで音楽の話をしていましたね(笑)

 

川名:以前、大学であった即興で踊るっていうダンスWSに参加したことがあって、それからダンスに興味を持ち始めました。それで、STスポットのWEBを見ていて偶然オーディションのことを知って・・・。経験者のみとか、そういうことが書かれてなかったので、オーディションに応募しました。僕も大学でジャズ研に入っていて音楽が好きなので、残さんと音楽について話すの好きです。

 

今回の公演の作品作りは40分間の即興から始まります。その40分間で気になったシーンを切り取って再現するという作業を繰り返します。

 

木下:最初に40分間の即興をやったときは戸惑いましたね(笑)何をやったらいいんだろうって・・・。残さんからの指示とかもないので、とても自由で。

 

-- 即興で動き出す時って、最初どういう事を考えていたりするんですか?

 

木下:最初は日常会話を話している延長で入っていって、それから周りに見えるものを見ていると、そこから色々思い出すので、それで思い出したものをやってみようって感じですね。

 

川名:僕は立ってぶらぶら歩くことから始めたり、座っているところから始めたり、毎回違うことから始めようと思っていましたね。そのあとは、相手の動きに合わせて動くって感じですね。

 

-- 稽古を見ていると、2人のバランスがすごく面白かったです。木下さんが軽めの動きで、川名さんは重めの動きで。静と動の幅が見ていて面白かったです。

 

木下:バランスっていうのを意識しているときもあるんですけど、それは元々の2人の性質かもですね。音響設計の福田拓人さんから、「良い意味で、交わらない個性が良い」って言われて、例えば手を叩くとき、僕は2拍目と4拍目が強くなるんですね。でも川名君は僕とは違うリズムをとってて・・・。

 

川名:僕は逆に3連符だったり5連符とかだったり、変則的なリズムなんですね。木下さんが聞いているのがテクノとかで、僕はジャズとかをよく聞くのでそういうところの違いじゃないかなって思います。ジャズはわざとリズムをずらすから。

 

-- この作品のみどころはどういうところですか?

 

木下:残さんは今回の公演では音楽を表現したいって、舞台作品なんだけど、2人で音楽的に奏でるような作品にしたいと言っていました。これまでの舞台の見方とは違った見方ができるような作品を目指したいなと思っています。音楽的見方というか・・・。

 

川名:音楽の持っているリズムとか、強弱とかをどう出せるかってところかなって思っています。あとはやっぱり福田さんの音ですね!福田さんが出す音がすごく楽しみです。


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