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2012.09.07

N.N.N.3総評

3回目となる今回はゲストの招聘を試みるなど、1つの節目になりました。


対照的な2つのグループと、それとまた対照的なゲストのソロ作品を1つの公演の中で上演することは意義のあるものであったと私は思っています。また、2グループそれぞれにチャレンジがあり、これまでより密になった監修のKENTARO!!氏とのやり取りやゲストの提示したものを通して彼ら/彼女らが、さらにこの後どのような作品を残していくのか非常に楽しみです。

これらのことが実際にどう見えたのかは、ご来場頂いた皆様や出演者に委ねたいと思っています。



そして「賞」について少し述べようと思います。


賞の価値、というものは何であるのか。

N.N.N.という企画は「賞(もしくはそれと同等のもの)を与える」ことを要項に記していました。過去2回は、本企画においての賞の意味や必要性、授賞後のフォローについてなど様々な角度から検証しましたが、「受賞者なし」という結論が導きだされてまいりました。


今回、再び「賞」についての議論を行いまして、そこから浮かび上がったのは、単純に「もう一度見てみたい」グループは何かということでした。このことをこれまでの公演も含めて遡って考えた結果、「kopic(N.N.N.2出演)を受賞者とする」という結論に至りました。

この結論について、なぜ/今更ということは尤もな疑問/意見ですし、選ばれても選ばれなくても寝耳に水でしょう。

それでも本企画の足跡を残すためにも、出演者それぞれの強みをぶつけながらSTスポットという空間を巧みに使用していたkopicに対してシンプルな思いと期待を込め、このような結論を導き出しました。


これまでに応募してくださった方々や公演を行った方々に対する責任、選ぶことに伴う責任は承知しております。作家たちの全力をぶつけてきた作品とそれに応える力、それがかち合ったときに価値のような強い何かが生まれてくるのだと感じています。

そのため、簡単にではありますが、私たちが出したこの返答を議論の流れも含めてここに公開することにいたしました。


一方で、授賞しないことが縁の切れ目になるわけではありません。公募からも含めてこちらで選ばなかった多くのグループも活動を重ねて素晴らしい活動、作品を残されています。

そういった時に私たちは微力ではありますが、後押しをしたいと思っています。その1つの試みとして、『N.N.N.4』を実現させるべく、こちらも活動を続けてまいります。


最後に、この公演が成立するにあたりご尽力・ご協力くださった方々、そしてご来場されたみなさまに改めて御礼申し上げます。



STスポット N.N.N.担当 佐藤亮太


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無事に三年目となる三回目を終えて、ホッとしています。STスポットの皆さんやテクニカルスタッフの方々には感謝を言いたいです。

さて今回の内容ですが、初のゲストシステムは良かったなと思いました。イベントも締まった雰囲気になり、個々の作品の見え方も違ってきて面白かったです。今後の企画内容に活かせる有意義なものでした。そして三人のスタイルの違うゲストにお願い出来たので、出演者の皆も勉強になったと思います。 



選出された組について


京極朋彦ダンス企画は良くも悪くも完成されている印象を受けました。

好みの問題かも知れないけど、個人的には真面目過ぎるのでふざけるという意味でない遊びがほしいかなと。あと何をやりたいのかを明確にするのか、抽象度を強めて余白を出すのか、踊りにキチンと向き合っている彼らの選択に今後期待しています。


ピグマリオン効果はコンテンポラリーダンスを余り知らない人達を含んだメンバー構成で、既存のそれっぽい流れとは違う作風で好感を持ちました。

ただ技術的には問題が多く、それ自体を肯定する人(僕も面白かったけど)はいるかも知れないけど、それだけでは全然弱い。

なので継続してやっていくのか、ましてや踊っていくのか。そういった意味での不安は残りましたが、単純に楽しい作品だったと感じます。



賞について

三回目の開催にあたり、そろそろ賞を出すかどうか話し合いました。今まで自分としては決め手に欠けていた部分があり、出さなくてはいいのではと考えていました。

出した方が良い部分ももちろんあるので検討しましたが、今回の2つから出すとなると過去の出演グループでも良い所はあったので、それはどうなんだろうと話しました。


そして選択肢として出たのが、過去三回から一組ずつ全て出すか、トータルで一組出すかという流れを無視した斬新なものでした。

 

そこからSTスポットの大平さんと佐藤くんと三人で話し合った結果、満場一致で第二回参加の<Kopic>に出す事にしました。

余りグループとして活動してない<Kopic>に出すのは悩みましたが、今までで一番奇抜な構成であった事。また音楽の必然性とダンスとしてある程度の強さをリンクさせた表現を改めて評価しました。今後の彼らの動向は別として、これを機に作品をまたやってくれたら嬉しいです。

 

N.N.N.監修 KENTARO!!


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N.N.N.

Ring Ring Prize 受賞者『 kopic 』


N.N.N.3について