2012.08.18
STスポットでの公演は約一年ぶり、その間にも多くのスペースでサイトスペシフィックな作品を発表していたflep funce!がどのような作品を制作しているのか、本番一週間前に入った稽古場におじゃました。
flep funce!の前回のSTスポットでの公演(KENTARO!!監修の公募企画N.N.N.2)では、劇場の白い空間を色鮮やかに変える「飛び出す絵本」という印象をスタッフの中に残した。
今回の作品は3部作の最後を飾る作品であり、これまでに発表した2作は劇場とは異なる場所で発表していた。今回もPVでは、senkiyaという一軒家をカフェ・ギャラリーにした場所で撮影をしており、それらを経て今回はどのように空間を彩るのか伺った。
マノ「場所や時間、時代などいろんなところへ行くような心地良い浮遊感を出したいです。」
※ちなみに客演の重岡さんは「senkiyaさんになりたい。」とまで惚れ込んでいるそう。
実際に上がってきた美術プランを見てみると、楽しそうというのはもちろんのこと、そういった空間の共有を意識したものになっており、劇場としても楽しみなところがある。
とは言うものの劇場外での活動が多い彼女らは、実は劇場でフルスケールの作品を発表するのは初めてなのである。そうした中で今回はスタッフとのやり取りがこれまでよりも密になっているという。
いづみ「クリエーションからスタッフが色々と意見を言ってくれることで、見えてくることがあります。こちらが思ってもいないことなど。それによって過去にやってきたことで、もう一つやりたかったことに挑戦できていると思います。」
また、今回は公演ごとに多彩なゲストも呼んでおり、その関係の中で作品の印象も大きく異なるものになるだろう。ゲストの呼び方に一工夫を凝らしている様子。
マノ「どうするかというのはまだ秘密ですが、どんな媒体とでもダンスを接続できると思っていて、ゲストに関してもそれは意識しています。」
ゲストについては以下の通りです。(どのように参加されるかは当日のお楽しみとなります。)
8/24
20:00:小田晃生/ミュージシャン
8/25
15:00:夏目慎也/俳優(東京デスロック )
8/25
19:00:Boojil/イラストレーター
8/26
15:00:senkiya 高橋秀之
加えて、ゲストではなく客演では前回に引き続きの畑中実さんと、木ノ下歌舞伎や白神ももこさんの作品等に出演されている重岡漠さんを迎えている。畑中さんについては昨年のインタビューを参照していただきたい。ここでは重岡さんの参加するきっかけとなったエピソードを伺った。
いづみ「(マノ)リツコがすごい推しててそれを信じました。畑中との相性が予想以上に良く、誰と並べても面白いのでグループとしてバランスが良くなったと思います。」
マノ「木ノ下歌舞伎のオーディションでダンサーの方が踊った後に、『たまにダンサーのように動けます』と言って踊って、それが全くダンサーに見えなくて。でもすごかった。それでこの人だと思いました。人との距離感や自分との距離感がいいなと感じています。」
最後にこの公演に対する意気込みを伺った。
flep funce!「隠れテーマはダンスを褒められること(笑)素直さとひねくれさがうまい具合に同居する作品にしたい。今までやろうとしてきたflep funce!の見せたいものが今回より明確に完成すると思っています。「好き」は原動力だけどそれだけでこういう活動してられないっていうのは前からあるし、今後の活動の指針につながるようなチャレンジをしたいです。」
間違いなくその回だけの公演になる本企画。どうぞご期待ください。