神村恵企画 ブレイン・ストライキ vol.5 『デルサルト・システム』ワークショップ 共催

2016年7月30日(土)

表現主義舞踊の基礎になったものの一つに「デルサルト・システム」というものがある、というのはダンス史を少しかじると必ず出てきます。
それでも、デルサルトの名前は聞いたことはあっても、中身についてはよく知らないという場合が、私も含めほとんどだと思います。


デルサルト・システムとは
フランスの音楽教師フランソワーズ・デルサルトが、精神と身体の動きは対応しているという前提のもとに、様々な姿勢や身体の部位を3という数を基本に分析し、身体と心の自然な動きを身に付けるために体系化したメソッドである、らしい。

そのメソッドは評判を呼び、アメリカからも生徒が訪れ、その弟子を通じてダンスや演劇の基礎技術として広まった、らしい。


クラシックバレエに対する、新しい身体技術の体系として求められたのは分かる気もするけれど、資料にあるエクササイズの例を見てみても、何がそんなにユニークで当時の人をそこまで引き付けたのか、今一つよく分からない。分からなければ、試しにやってみたらいいのかもしれない。

木村覚さんと共に、どういう感覚が「デルサルトシステム」というものに込められているのか、それが現在の自分たちのダンスにどうつながっているのか、実際にエクササイズを行いながら、考えてみたいと思います。

神村恵

日 時 2016年7月30日(土) 15時〜17時

主 催 神村恵(振付家・ダンサー)
共 催 STスポット

ゲスト 木村覚(日本女子大学准教授・BONUSディレクター)
日本女子大学准教授(専門は美学、ダンス研究)。
15年以上前から日本のコンテンポラリー・ダンスを中心に舞台芸術やパフォーマンスの批評を行ってきた。
主著は『未来のダンスを開発する フィジカル・アート・セオリー入門』(メディア総合研究所)。
2014年からダンスを作るためのプラットフォームとしてBONUSの活動を始める。
これまで3回のイベントを行ってきた。
BONUS:www.bouns.dance

料 金 1,000円
定 員 25名

申込み・問合せ
info@kamimuramegumi.info
氏名(ふりがな)、参加人数、連絡先を明記の上お申し込みください。

「ブレイン・ストライキ」とは
何となく思考停止していた脳みそを、一旦停止させて別の動かし方をしてみるという、神村恵によるイベントシリーズ。
毎回異なるテーマのもとにゲストを招き、トークやWS、パフォーマンスなどを行います。
https://www.facebook.com/events/250133095369760/


参考 デルサルト・システム
フランスの音楽教師フランソワーズ・デルサルト(1811〜71)が体系化した、身体を表現的に動かすための理論。
デルサルトは、キリスト教の三位一体の考え方を背景に、三つ組で身体と心のあり方をとらえる理論を展開した。
例えば、身体を「頭部」「胴体」「四肢」に分け、それぞれを「知的」「道徳的」「生命的」であるとした。
また、腕を三分割し、手は知的、前腕は道徳的、二の腕は生命的とみなしたように、大別した三部位のそれぞれをさらに細かく三分割しながら、身体と心との関係について考察した。
アメリカにデルサルティズムを最初に伝えたのは、デルサルトに直接学んだ唯一のアメリカ人ジェイムズ・スティール・マッケイだった。
マッケイに学んだG・ステビンズは『デルサルトの表現システム』(1885)を出版し、アジアや古代ギリシャの神聖な踊りにあるような表現的な動きを自分の作品に取り込んだ。
多くのダンサーたちはステビンズのこうした傾向に触発された。
なかでも生きた彫刻となってポーズをとる表現やパントマイムといったデルサルティズムを反映した諸形式は、ルース・セント・デニスに決定的な影響を与えた。
ヘンリエッタ・ラッセルは、アーツ・アンド・クラフツ運動とデルサルト・ブームをつないだ人物で、彼女の教育は身体運動に限らず、絵画、彫刻、室内装飾に及んだ。
ラッセルは、富裕層の子供や大人の女性たちを養成したばかりではなく、デニショーンに講師として招かれもした。
デルサルティズムの推進者は衣服の改革も行ない、ステビンズは呼吸を圧迫するという健康上の理由で、ラッセルはそれに加え審美的理由で、コルセットの代わりに緩い衣服を女性たちに推奨した。
(サイトartscapeの用語辞典中の”デルサルト・メソッド”(著 木村覚) より転載)

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