岡崎藝術座 『ニオノウミにて』 共催

2020年1月11日(土)-1月19日(日)

Happy Prince Fish
飲み屋で出会った釣り好きのオッチャンは、よく琵琶湖に行くらしい。おでんを食べながら、オッチャンから聞いた話。

琵琶湖ではもうずっと、「外来魚」の繁殖が問題になってる。そいつらが琵琶湖固有の魚を食べちゃうから。だから、行政は「外来魚回収ボックス」ていうのを湖岸に設置して、釣れたらそこに入れてください、ってやってる。要するに捨てるの。ブルーギルとかブラックバスとかね、捨てないといけない。でもバス釣りの連中は、魚に罪はないとかマナーがどうとかなんとかかんとか言って、リリース(再放流)してるの。
おれは捨てるよ、ポイポイって。
ところで、日本にブルーギル持ってきたの誰だか知ってる?

オリンピックを間近に控えたころのことだった。アメリカ外遊中に出会ったブルーギルを、食用として、日本に持ち込むことを殿下は決意したのだった。
ブルーギルは、「おめでたいプリンスフィッシュ」と崇められ、日本各地に放流された。

 

ノート
琵琶湖で釣りをして、回収ボックスに入れたり、リリースしたりした。様々な立場の人の話を聞いて、生態系保存と治水の関係を考え、外来魚駆除大会へも行き、ブラックバスを食べ、湖岸を一周した。いつもざわざわしていた。
誰かが問題視していることを誰かはなんとも思わない。
複雑に絡むそれぞれのトピックは立場のちがいを際立たせて、対立するか無視し合うかしか先はない、みたいな感じがして、こわかった。いまの世の中の縮図を見た気がしてしまった。
でも、琵琶湖はいつまでも見ていたいほどうつくしくて、
漁師たちの住む沖島も湖岸から見た竹生島も、神秘的な雰囲気に満ちていた。能の「竹生島」をこの作品の参考にすることに決めた。
生き物に内も外もあるのだろうか、人間にそれを決める権利などあるのだろうか。
こわい、けれどもうつくしい琵琶湖のことを想像しながら、キャストやスタッフたちと話し合いつつ、創作する。

—神里雄大


出演:浦田すみれ 重実紗果 嶋田好孝

 

日程:2020年1月11日(土)~1月19日(日)
11日(土)18:00
12日(日)14:00/19:00★
13日(月・祝)14:00
14日(火)休演日
15日(水)19:30
16日(木)19:30★
17日(金)19:30
18日(土)14:00/19:00
19日(日)14:00

※受付開始は開演の30分前、開場は15分前
※上演時間は100分を予定しております(休憩含む)

★…終演後に作・演出の神里雄大によるポストパフォーマンストーク開催

 

料金:
一般 3,000円
25歳以下 2,500円
ペアチケット 5,500円(前売のみ)
18歳以下 無料(枚数限定)
当日券 前売料金+500円

※全席自由席
※未就学児童入場無料
※年齢制限チケットは当日要証明書提示

 

ご予約・お問合せ:
岡崎藝術座
[Web]https://okazaki-art-theatre.com/happyprincefish/
[Mail]info@okazaki-art-theatre.com

 

スタッフ:
美術・照明:dot architects
舞台監督・音響:大久保歩(KWAT)
衣装:大野知英
制作統括:本郷麻衣
横浜公演制作:武田知也 藤井さゆり
照明アドバイザー:十河陽平
製作・主催:岡崎藝術座
協力:株式会社:precog 合同会社elegirl
横浜公演共催:STスポット
助成:芸術文化振興基金 アーツコミッション・ヨコハマ

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