劇団108 第71回公演『無次元オボログラフィー』

僕はアクセルを踏み込み100マイルまで加速した
ボブは意気揚々と窓を開けて手を外に出した

「どんな感じだい！？」 風とエンジンの音に負けじと僕は大声で聞いた
「Ouch!シィィット！」 ボブが絶叫して手を引っ込めた
横目でちらりと見ると何か汚いものが掌にべっとりと付いていた

「ファック！鳥のフンか？こんなことってマインズ・マーケットで当たりくじ引くより
あり得ねえよファック！」
ボブは悪態をつきながらゴシゴシと手をTシャツの腹の部分で拭っている

僕は拭うたびにブヨブヨと揺れるボブの腹を見て思った
「もう窓をしめてくれないか ボブ」
その腹でも触ってろよバカ野郎 と

そしてこういう下らないことを大事にしていけたらいいなと少し思った