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地上波 第三波:企画・牛川氏よりコメント『だって同時代性ということは今ここに現出しつつあるダンス、ということでしょう?』|2017年4月

2017年4月27日(木)19:40STスポット

4/28(金)~4/30(日)にSTスポットでは、地上波 第三波を開催します。
地上波とは、音響家・牛川紀政さんの企画によるコンテンポラリーダンスのショーケース企画です。
2009年、2012年に開催し、今回で3回目となります。
なぜ、いま、この出演者での「地上波」なのか?
企画の牛川紀政さんにコメントをいただきました!

 
地上波 第三波 公演情報
 
2009年 地上波 公演情報
2012年 地上波 第二波 公演情報


『だって同時代性ということは今ここに現出しつつあるダンス、ということでしょう?』

 

<コンテンポラリーダンス>と言われる界隈が元気がないと言われて久しいですが、それはひょっとして
①<ジャンル>として消費されてしまったから、
若しくは②何だかよく理解されずに忘れ去られてしまった、
あるいは③批評=言葉に於いてもその何だかよく理解されないポストモダンの波に飲まれ雲消霧散してしまったからなのか?

多分それら全てが当てはまるのではないかと思っています。

①で言う、コンテンポラリーダンスを<ジャンル>化してしまったから元気がなくなってしまったとはどういうことなのか。
おそらく、まずムーブメントが起こればそれを知りたい・把握したい欲求に、<こういうもんだろう?>というような枠組みができ、<ジャンル>として<コンテンポラリーダンス>をあとの世代に【教える】こと
が可能となります。<ジャンル>ではないコンテンポラリーダンスにとって、<こういうもんだろう?>という固定化自体が命取り=生命線のはずですから、矮小化されたものが伝わっていくので元気がなくなっていくのは必然です。同時代的なダンスはその時その時で生まれ続けなければならない身体の最先端。なのでその逆のことをやっていけばいいのではないでしょうか?

❶コンテンポラリーダンスを<ジャンル>として捉えないことと、
そして❷何だかよく理解されないものこそを目指し、
しかしながら❸ポストモダンの波にも飲まれないもの(なので、歴史を学ぶことと先端に居る/あることは同義になります)。
そしてなにより大事なのは、観た者に圧倒的な身体を感じさせること。

「地上波」がそれに成功しているかは疑問ですが、3回目になる今回で、演劇界隈の方にも出演を依頼したのはそんな理由からです。
また「地上波」1回目から今まで若手〜中堅に依頼してきているのも、<固定化>できないものを体現できる=同時代的な人たちではないか?という思惑のもとです。

 


牛川紀政
1966年 品川区生まれ
小2〜中1、ブルース・リーに憧れ街の柔道場に通い、体育と図工をやりに学校に通う
10代、小6でYMOに衝撃を受け高校入学と同時に男の60回でシンセサイザーROLAND JUNO-60購入
20代、バンドやDTMをやりながら劇団兼イベント企画会社で演劇・イベントの音響始める
30代、ジェフ・ミルズにやられてクラブDJをしながら楽器店に4年間勤務後、ダンサー野和田恵里花と出会い再びフリーで舞台音響
以降、舞踏に嫉妬しながら、トリシャ・ブラウンにガツンときて、Nomade~s、開座、C.I.co、ほうほう堂、金魚、枇杷系、チェルフィッチュ、LUDENS、M-laboratory、まことクラヴ、大橋可也&
ダンサーズ、BABY-Q、輝く未来、神村恵カンパニー、ミクニヤナイハラプロジェクト、室伏鴻+黒田育世、近藤良平+黒田育世、KENTARO!!、珍しいキノコ舞踊団、サンプル、デュ社、モメラス、オフィスマウンテン…etc
また、ラボ20やラボセレクション、トヨタコレオグラフィーアワード、吾妻橋ダンスクロッシング、横浜ダンスコレクション…etc
2017年〜、立教大学現代心理学部映像身体学科兼任講師

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