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オフィスマウンテンvol.3『ホールドミーおよしお』に向けて|2017年5月

2017年5月21日(日)16:53STスポット

昨年上演した『ドッグマンノーライフ』が第61回岸田國士戯曲賞最終候補作品にノミネートされた山縣太一さん。
彼が主宰するオフィスマウンテンの新作公演『ホールドミーおよしお』がいよいよ5月24日(水)に幕を開けます。
今作への意気込みに加えて、自身が俳優として舞台に立ってきたことがどのように作品に影響しているのか、
何を考えて創作しているのか、コメントをいただきました。


僕がSTスポットで自身の作品を上演するのは今回で3回目になります。なぜSTスポットなのかと言われたらお客さんは間近に俳優やダンサーが見れる。俳優やダンサーは間近にお客さんが見れる。息づかいさえしっかり聞こえるこの空間が僕のやりたい表現と合致しているからです。
僕の表現にはお客さんに見られている事を無視せずにむしろ利用しにいくことなどがあります。その時に狭い空間であればあるほど現実の世界の時計が刻む時間ではない時間が演者とお客さんが集まる密室で生まれたりします。クリエイティブな瞬間と僕は呼ぶその時間を僕は誰よりも感じたい。同じ表現を毎日やるなら毎日入れ替わるお客さんをしっかり見て聞いて感じたい。それが作品を繰り返す俳優が初めて観るお客さんに対する敬意と誠意だと思います。繰り返す作品を初めてのつもりでやるなんて不可能です。それなら初めて観るお客さんの身体も作品に関わってもらうようにしたい。めちゃくちゃ難しいんですけどね。でも諦めません。よろしくお願いします。


山縣太一プロフィール
1979年横浜生まれ。2001年より演劇ユニット・チェルフィッチュに俳優として参加。以降2013年の『地面と床』までほぼ全ての作品に出演し、中心メンバーとしてチェルフィッチュを牽引。ダンサー手塚夏子の一番弟子。日常の無自覚で豊かな身体を自覚的に舞台にのせる自身が考案した太一メソッドの第一人者。作家、演出家、振付家としても高く評価されている。2015年、自身の作・演出するソロユニットを始動。同年6月に音楽家・批評家の大谷能生氏を俳優として迎え、『海底で履く靴には紐が無い』を発表。2016年6月に2作目『ドッグマンノーライフ』を上演。趣味はサッカー。ビールを飲む事。アウトドアしないのにアウトドア用品を買い集める事。フィシュマンズが大好き。


オフィスマウンテン vol.3 2017年新作公演
『ホールドミーおよしお』
2017/5/24(wed)〜6/10(sat)
作・演出:山縣太一
出演・振付:大谷能生、難波幸太、矢野昌幸、横田僚平、児玉磨利、宮崎晋太朗、稲継美保
音楽:大谷能生
公演情報詳細はこちら
https://stspot.jp/schedule/?p=3563

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